億男

そのお金の価値は?

 

お金は価値をはかるものさしだ。

そのものさしにどれだけの価値があるのだろうか。

 

ただ人間が都合良く生み出した概念に、人間が振り回されるようになってしまった。

 

人は形の無いものにばかり価値を見いだそうとし、そして執着する。

愛、友情、宗教、お金

 

形の無いものほど恐ろしいものは無い。

コーヒーが冷めないうちに

あの日に戻れたら

 

そう思うことは誰しもあることだろう。

 

茶店 フニクリフニクラ

ここでは過去に戻ることができるという。

ただし、ちょっと面倒くさいルールがあった。

 

過去に戻れるのはカップがコーヒーで満たされてから

過去に戻っても、店の外に出ることはできない

過去に戻ったら冷めきるまでにコーヒーを飲み干さなければならない

過去に戻っても、一度起きたことは変わることはない

 

もし、過去に戻った時、冷めきる前にコーヒーを飲み干さなかったら

永遠に、その席に座り続けることになる。

 

 

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単純に、泣ける映画だった。号泣ではなくて、ほろりと泣けるポイントがいくつもある感じ。

 

過去に戻ることで、登場人物が前を向ける。だいたいみんな前を向いて進んでいく。たぶんフニクリフニクラの長い歴史のなかで、あの席に座って後悔した人もいるんだろうけど、そこはファンタジーってことで。

 

とにもかくにも、新谷くんみたいな彼氏ないしは旦那がほしい。

 

 

 

夢工場ラムレス

3年前に見た夢を今でも鮮明に覚えている。

 

母が他界してから、1年と半年が過ぎた冬の午前6時。何枚もの病棟の写真が脳裏を駆け巡るような夢だった。目が覚めた私の頬は濡れていた。あんなに息苦しい目覚めは後にも先にもあの日だけだった。

 

あの日、私は人生で初めて仮病を使った。

 

きっとあの日の私の夢には、夢工場のなかで過去と悲しみの要素が入っていたのだろう。もしかすると、青い扉も隠されていたのかもしれない。

 

 

 

夢工場ラムレス

 

そこでは夢の修正をしてくれる。しかし、そこへは夢のなかからしか行くことができない。つまり明晰夢を見る者だけが辿り着ける。

 

ある者は大切な人を守るため、ある者はこの世にはもういない大好きな人に会いに行くため、私欲のために利用しようとする者もいた。

それぞれが悩みや苦しみを乗り越えるために、夢工場に迷い込んでくる。

 

夢と現実は、遠いようで互いに作用し合っているらしい。

悪夢は現実でも人を不安にさせ、都合の良い夢ばかり見るようになれば、現実でつらいことが続いたとき、夢に逃げるようになる。

夢も現実も、バランスが重要だ。

 

もしも現実のバランスが崩れたら、夢の中で探してみるといいだろう。

 

ラムレスへ通ずる青い扉を。

 

夢工場ラムレス

夢工場ラムレス

 

 

 

【創作】僕の世界体験記

「今、恋人はいる?」

「家族は元気?」

世界を旅してきた僕に、彼女は普通のことしか聞いてこない。

 

僕は世界を体感して、その他大勢にはなれないんだと実感した。日本に閉じ籠ってなんていられない。そうさ僕は普通じゃないんだ。

 

資金が果てて、一旦帰国することになった。僕に会いたい人は沢山いるだろう。僕が見てきた世界を知りたい人が大勢いるのだろう。きっと彼女もそうだ。時間が合ったら会おうよ、なんてセンテンスを送ってきたのだから。僕は彼女にどんな話をしてやろうかとこれまで見てきたものや体感したことを数えきれないほど思い返した。

 

ところがどっこい、彼女は普通のことしか聞いてこない。僕が世界で見てきたことになんか触れもしない。2時間。世間話で終わってしまった。拍子抜けだよ。

 

僕はたまらず聞いた。

君は僕が見てきた世界を知りたかったんじゃないのかい?

彼女は不敵な笑みを浮かべて言った。

「私は同級生だったあなたに会いたかっただけ。あなたの見た世界とやらはSNSでおなかいっぱいよ。楽しそうでなにより。それに、本当にアバンギャルドな人には普通のこと聞くのがいちばん面白いのよ。でも、また会う機会があったなら、あなたには普通じゃないこと聞いた方が楽しそうね。」

今日はありがと、と言って人がごった返す東京駅に彼女は消えた。

ネットの涙

感動シーンにネットも涙

 

 

これよ、最近よく見る

 

ネットの◯◯(感情)

 

比喩表現なのはわかるけども、なんだか気持ちが悪い。感情の無いインターネットを媒介して人が感情表現しているだけなのに、まるでインターネットそのものが感情表現しているかのようで。略しすぎじゃない?

 

そうそう、なんでもすぐ略す人って嫌だよね。しかもその略し方って独特なの。通じる略し方してよね。変な略し方して天然アピールする奴もいたなあ、っていう愚痴。あれはだるかった。是非とも全人類に体験してほしい。

 

電車で前に立ってるおじさんがつり革に腕通して体重の八割かけてるみたいな立ち方してるんだけど、席譲った方がいい?絡みたくないんだけど。何にも集中できないわ!容姿はチャンカワイ似だわ!気を付けなはれや!

 

今日は厄日だ、ああ可哀想だなあ自分。こんな姿はきっとあれだよ

 

全米が泣く

四面楚歌

バカにしてた人間を尊敬するようになって、尊敬してた人間がたいしたことない奴だと気づいた。

敬語が絶対だと思っていた先輩に、タメ口どころか「ばかじゃねえの?」とか言うようになった。

年上の後輩が仕事もろくに覚えてないくせに年齢わかった途端にタメ口きいてきたことに腹がたって、タメ口きくのは私より仕事できるようになってからにしろよ、なんて大口を叩けるわけもなく、Twitterに書き込んだ。

 

バイトって楽しかったなあ。いや、今もバイトなんだけどさ。オフィスでのアルバイトをアルバイトと言っていいのかも仕事と言っていいのかも曖昧なまま、ってか自分のなかでしっくりくるものがないだけなんだけど、とりあえずインターンとでも言っておこうかななんて。

そういえば居酒屋でバイトしてた自称舞台俳優は派遣の単発バイトでも仕事って言ってたなあ。池袋のちっさい小屋みたいな、劇場ともbarとも言えない所で、わけのわからない、たぶん原作はそれなりに有名な舞台をみせられて、ちょっとそれっぽい感想言えば、やたらと演技論とか語ってきちゃう三十路きちぃわ。

 

世の中反面教師しかいないよね、なんて悟り世代発動しちゃって。同世代より精神年齢高いんだよね~とか、私達観しちゃってて~なんつって恥ずかしい。あ、これ身に覚えあるわ~、きちぃわ~。

 

他人に興味がなさそうなあの人が、"バイトの女の子達"のなかから私を見つけてくれて、だけど彼には特別な意味は無かったようで、不定期で数ヵ月会わないことなんてざらで、あの人やめたの?とか、生きてるの?とか言う冗談が鉄板だったあの場所で、たまに一緒になれば他の"バイトの女の子達"よりはマシか、くらいのポジションになってただけ。理想的っちゃ理想的だけど、もうちょっと構ってくれたっていいじゃない、なんて恥ずかしいこと言えないよねえ。

健気にTwitter検索なんかしちゃって。見事に本名でヒットしちゃって。フォローなんてしたら嫌われちゃうからさ、たまーに検索して、ブログ読んじゃったりして。あれ、これ私のことじゃん、私のこと大好きかよーなんつって、勝手にネタにして。陰キャの集まりで騒いでさ。ストーカーかよって、キモいよマジで。でもだって、これでまた会ったときに、ご飯行きましょうよ、なんて言うのはお門違いなの知ってるんですもの。ほら、私達観してるから。

 

あれ、でもなんだよ、彼女いるのかよ、情とかあるのかよ、私知らないよ?彼女面かよ、キモいよマジで。これに関しては我ながら気持ち悪いわ。そんなこんなでブログの書き方わからないからまた読み漁って文体真似しちゃってるのほんとにキモいって自覚してるよ。

 

お互いに寂しさ紛らわせるならいいやって久しぶりに会った中学時代の先輩は自分のことしか考えてなくて、おいマジかよ、の連発で、今のバイト先にいるプライド高い劣等感丸出し処女先輩へのネタとして使わせてもらうしかなかったんだよね、いや、いい顔してたわ、「都合のいい女にならないように気を付けてね」じゃねえよ、こちとら都合のいい女やってやってんだよ。今のあんたの顔嫉妬心剥き出しよ?気づいてる?後輩に説教する前に鏡みておいでって。

 

いや~、若いね。

これで片付けるオジサンたちには、酒に酔っぱらった振りして、っていうか酔ってるんだけど。そこはいいよ、まあ、アルコール摂取してから長話を視線ガッツリ合わせながら聞くだけで効果覿面!次の日からなーんか優しくなっちゃうんだな~。

とか偉そうにいってるけど、まあまあの地味顔ブスがこれやってるんでね、あとはお察しを。

 

短い人生それなりに上手くやってきてるけど、自分のやりたいことも正解だと信じる何かも、何も見つかってないクソガキで、大人なんてどいつもあてにならない、かといって無垢な子供も苦手なんで、どこ向いて歩いたらいいのかわからんよね。

応えろ生きてる星

私、良い彼女だと思うんだ~

 

そうだね、

良い彼女だと思うよ

とっても

都合の良い

 

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女は強欲で貪欲で

誰よりも自分が可愛くて仕方がないくせに

それをひた隠しにする

 

女の相談なんて

自慢か悪口のどっちかなんだよ

答えを導こうとなんてしても

機嫌を損ねるだけさ

 

なのにそのことには

男も女も気づいていないんだよ

みんなバカだねえ

 

誰も他人の本質なんて見えてないんだよ

見ようともしちゃいないね

大概のことは見てくれで判断して

大概の人は見てくれで判断されて

その判断結果が自分だと思い込むんだ

そして判断結果に縛られて

愚痴

愚痴

愚痴

 

くだらない人生

 

どこかからクレイジーな美人が

僕の人生を狂わせに来てくれないかな

なんて

 

どこの竹宮ゆゆこ作品ですかって

 

ヒロインは女から嫌われるんだろうな

 

強いようで

弱くて

強い女性だよ

 

あいつらとは違う

 

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そのまま自分に溺れて

また裏切られて

後悔して

優しいだけの男に騙されて

そうやってあなたは

生きていけばいいと思うよ。